地球温暖化
☆地球温暖化とは?
地球温暖化とは、人の活動に伴って発生する温室効果ガスが大気中の温室効果ガスの濃度を増加させることにより、地表近くの温度が上昇することをいいます。温室効果ガスにはメタン、亜酸化窒素、フロン類などの種類がありますが、最も代表的なものは二酸化炭素です。二酸化炭素の大気中濃度は、産業革命前は280ppm前後でほぼ安定していましたが、産業革命以後急激に上昇し、現在は約370ppmと3割程度増加しており、このままいくと21世紀末には540~970ppmになると予想されています。地表の温度はこの100年間で0.3~0.6℃上昇しているといわれていますが、地球の長い歴史から見ても100年という短期間でこれほど気温が上昇した例はなく、温室効果ガスの増加が地球温暖化問題を引き起こしていると考えられています。
☆地球温暖化の影響は?
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の予測では、現状のままで推移すれば、地表の平均温度は21世紀末までに1.4~5.8℃上昇するといわれており、このような温暖化は地球環境に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、樹木は100年という短期間における気温上昇のスピードに適応することができないため、大きな打撃を受けることが予想され、その影響はそこで生活する他の動植物にも及びます。また、地球温暖化が進むと、氷河の融解や海水の膨張などにより、海面が上昇するといわれています。IPCCの予測では21世紀末までに9~88㎝上昇するとされており、島国や低地に住む人々にとっては深刻な問題です。
これ以外にも、降水パターンの変化による自然災害の多発化、世界の穀倉地帯の乾燥化による食糧生産への影響、動物媒介性感染症の流行地域の拡大など、様々な影響の可能性が指摘されています。
☆京都議定書とは?
地球温暖化を防止するためには、大気中の温室効果ガスの濃度を下げる必要があり、例えば、IPCCの第2次報告書(1995年)では「大気中の二酸化炭素を現在のレベルに安定化させるためには、直ちに50~70%削減しなければならない」と指摘しています。この困難な課題の実現に向けて、これまでに多くの温室効果ガスを排出してきた先進国がまず責任を果たすべきという考えから、先進国が削減すべき温室効果ガス排出量の数値目標を定めたのが京都議定書です。京都議定書では、先進国全体で、6種類の温室効果ガスの排出量を2008年から2012年の間(第一約束期間)に1990年と比較して少なくとも5%削減することとしました。数値目標には各国ごとの事情に応じて差が設けられており、日本は6%削減することが求められています。