海面上昇
☆海面上昇とは?
地球温暖化に端を発する海水の熱膨張や大陸氷床の融解などで海面が上昇する現象のことです。
平均海水面、つまり波浪やうねり、津波・高潮などの短周期変動をならして平均化した水面の上昇を指します。
☆海面上昇の原因は?
近年は地球温暖化の影響により、その数十倍のペースの海面上昇が観測され、さらに加速するものと懸念されています。
海面上昇の主たる原因は海水の熱膨張であり、次いで南極氷床並びにグリーンランド氷床の融解とされています。現在のところ温暖化との直接の関連性は見受けられませんが、東京駅や上野駅などでは近年、地下水の上昇に伴い、地下駅の浮力の上昇が問題となり、アンカーボルト設置工事が行われています。
東京の地下水上昇の主因は工業用水くみ上げ規制により、地下水位が回復していることもが影響しています。
オランダ、ドイツ北部、デンマーク、バングラデシュ、ベトナムなど海抜以下の地域を抱えた各国や
オセアニア諸国、モルディブなどの海抜が低い島を擁する地域の中には、
海面上昇が差し迫った問題となっているところもあります。既にツバルでは集団移住が計画されており、
今後この様な海面上昇による移民(環境難民)の発生が予測されています。昔は、縄文海進や平安海進がありました。
海面上昇による影響は特に、ヴェネツィアなどの海抜が低い都市、オセアニアなどの小さな島国などで、深刻な問題となっています。
☆改善方法!
対策として、臨海部からの撤退、海面上昇への順応と防護がありますが、山地が多く平野部の少ない日本では、海面上昇への順応と防護を選ばなければいけません。
そのため、交通、流通、漁業、レクリエーション、防災、国土保全、自然環境保全など総合的な計画の立案とその実施が必要となります。
運輸省港湾局による試算では、海面上昇1mを想定した場合、港湾施設のかさ上げや補強の費用7兆9,000億円、 海岸の護岸や堤防の対策費用11兆5,000億円だそうです。
二酸化炭素の排出による地球温暖化を防止する取組みが、産業、運輸、民生の各分野で進められていますが、
海面上昇による深刻な問題発生を危惧する地域が増えている状況でもあり、海面上昇監視体制の強化や適切な対策が今後必要です。
また、気象学、海洋学などに基づくメカニズムと原因の更なる究明、地球温暖化防止およびエネルギー資源の持続についての取り組み強化がますます重要になると考えられています。
☆海面上昇の実験!
★実験道具
丸底フラスコ、恒温機、食紅、ガラス管、ゴム栓
★方法
①ゴム栓にガラス管が通る幅の穴を開け、ガラス管を通す。
②フラスコに水と食紅を入れる。
③フラスコにガラス管を通したゴム栓をはめる。
④恒温機で水を30度のお湯にする。
⑤30度のお湯にフラスコを入れてその様子を観察する。
★結果
フラスコ内の水が膨張することで体積が大きくなり、水が上昇しました。