ハイブリットカー

歴史

20世紀にはほとんど知られることのなかった「ハイブリットカー」という言葉もなく、いまや広く一般に知れ渡るようになりました。ハイブリットカーとは、エンジンとモーターの異なる2つの動力機構を備えた自動車を指します。これまで私たちに身近な自動車は、ガソリンあるいはディーゼルエンジンを1つ搭載(とうさい)してその動力のみで走りますが、ハイブリットカーは、モーターという1つの動力機構をエンジンと組み合わせて走ります。何事においても、組み合わせが増えるということは、それだけことを複雑にします。当然、場所も余計にとります。自動車は、誕生から120年を超える歴史のなかで、その形態をほぼ成熟の域に持ってきました。そこへ後から物を加えるのは、そう簡単な話ではありません。スペース、重量、制御、メンテナンスンなどがあります。この”そう簡単ではない話”を技術の粋(いき)で解決した自動車がハイブリットカーなのです。ハイブリットカーのルーツハイブリットカーを世界で開発したのは、ドイツのスポーツメーカーとして名高いポルシェの生みの親といえるオーストリア生まれのフェルディナント・ポルシェ博士です。ポルシェ博士が最初に設計した自動車は、電気自動車でした。1900年のことです。なぜポルシェ博士が電気自動車を最初に設計したのか。その答えは、当時の世相に現れています。トーマス・エジソンが白熱電球を発明し、電気が拓く未来に光が差した時代です。ポルシェ博士が、電気と自動車という19世紀末を飾る先進技術のどちらにも関心を持ち、それを活かした仕事をして、電気自動車を最初に考え出したことは決して不思議ではありません。また、当時の自動車は、蒸気、ガソリン、電気で動力の主流を争っていました。電気自動車は、静かで汚れないことで人気がありました。
しかし、電気自動車を走らせるバッテリー性能に限界があり、航続距離が短いという難題がありました。この難題は、今日の電気自動車に課せられたものとまったく同じです。そこで、ポルシェ博士はモーターを駆動するための電力を発電機で供給してバッテリーに蓄電しようと考えました。その発電機を動かす動力として、ガソリンエンジンを用いたのです。1台の車にモーターとガソリンエンジンの両方を備える、これがポルシェ博士の開発したハイブリットカー第1号です。当時のガソリンエンジンは、今日私たちが知るような小型で高性能なものではありませんでした。性能を上げるにはエンジン排気量を大きくするしかなく、巨大なエンジンとなれば人が乗る場所が限られてしまいます。小さなエンジンで発電機を回し、その電力でモーターを動かすという考え方は、今以上に現実的な選択肢でもあったのです。

 

仕組み

ハイブリットカーは2つ以上の動力源を合わせ、走行状況に応じて動力源を同時または個々に作動させ走行する自動車です。各種ハイブリットカーが考案されていますが、一般的な動力源はエンジン(ガソリンやディーゼル)とモーターで方式は3タイプです。

特徴

モーター走行を利用することもあって、内燃機関(エンジン)のみで走る自動車に比べて、窒素酸化物(NOx)、二酸化炭素(CO2)など大気汚染物質の排出量は大幅に少なくなります。小型車が発売されてから急速に普及し、代表的な低公害車といえます。ハイブリットカーとは、ガソリンエンジンと電気モータ、ディーゼルエンジンと電気モータなどの組み合わせにより、二つ以上の動力源を持つ自動車のことで、2010年現在はもっともポピュラーなエコカーになります。
ただ、2010年現在、ハイブリットカーは、将来、電気自動車や燃料電池自動車に移行するまでの間に存在する、中間的な技術であるため、電気自動車の普及がどのくらいのスピードで進むかで、今後、ハイブリットカーを購入するかどうかの判断は変わってくるのではないでしょうか。
ハイブリットカーは、地球環境にマイナスの影響を与える排出ガスが少ないことから、低公害車と呼ばれるクルマで、2010年現在の販売では、主力のエコカーになっています。
ハイブリットカーは、パラレル型,シリーズ型,シリーズ・パラレル型に分けられます。
ハイブリットカーの火付け役となった、トヨタとホンダで見てみると、トヨタのプリウスは、シリーズ・パラレル型で、ホンダのインサイトはパラレル型になります。
エコカーには、LPガス自動車、天然ガス自動車、燃料電池自動車など様々な種類があります。
ハイブリットカー、ハイブリット自動車もそのひとつです。
ハイブリットカーというのは、異なる複数の動力源、エネルギー源を持つ自動車のことをいいます。
このハイブリットカーには、大きく分けて3つの種類、シリーズ方式、パラレル方式、スプリット方式があり、それぞれガソリンエンジンと電動モーターを使い分けます。
いずれにしても、ガソリンをたくさん使うことなく走ることができるため、二酸化炭素の排出量が少なくなり、エコな車です。
ハイブリットカーの先駆けともいえる存在なのが、97年に販売されたトヨタのプリウスです。
エコカーという言葉は知らなくても、プリウスは知っているという方が多いのではないでしょうか。
それから、99年に販売されたホンダのインサイトも、ハイブリットカーのひとつとして知られています。

長所

ハイブリットカーは燃費が良いことが最大のポイントです。
ですが節約や経済の面から考えると、燃費の削減効果でクルマのコストが高くなる分を回収できるかどうかが気になります。またハイブリットカーは、普通のクルマに比べて非常に複雑な作りとなっています。そのためにクルマの重量が重くなり、クルマを作る為にもたくさんのエネルギーが必要になります。その余分に必要となったエネルギーは、燃費を改善する効果で取り戻さないことには、エコロジーにすら反してしまうのです。ハイブリットの他にも、燃費を改善させることが出来たクルマがあります。ヨーロッパで一時期話題に上った、100kmを3リッターの燃料で走ることが出来る3リッターカーがその代表といえます。

ハイブリット(hybrid)とは日本語で「混合」、「組み合わさった」という意味で、
ガソリンで動く「エンジン」と電気で動く「モーター」という複数の動力機関が搭載されていることから「ハイブリットカー」の名がつきました。(「ハイブリット車」とよばれることもあります)。
一般的に普及しているガソリン車のエンジンは低速度の時には燃費の効率が悪いために、
ハイブリッドカーは電気で動くモーターを使って加速し、
燃費が良い速度になったときにガソリンで動くエンジンに切り替えて走行します(これとは異なる仕組みのハイブリッドトカーも存在します)。
この仕組みによって従来のガソリン車に比べて燃費が向上するので、走行環境によってはCO2の量を「1/2」、
排気ガスの量を「1/10」に抑えることができるのです。

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